2018年度　蓄電池の補助金が復活！

2017年11月20日蓄電池

2018年度　蓄電池の補助金が復活！

【2018年度　蓄電池の補助金が復活！】

環境省2018年度予算概算要求において「太陽光発電の自立化に向けた家庭用蓄電・蓄熱導入事業」という重点施策により家庭用蓄電池の補助金が復活する見込みとなりました。現在示されている内容について解説します。

〈環境省資料〉

【事業概要について】

“住宅用太陽光発電設備（10kW未満）が設置されている新築又は既築の住宅に、以下の設備を設置する世帯に対して設備費と工事費の一部を補助する”となっています。

１．一定の要件を満たした家庭用蓄電池　
〈要件〉
①通信規格「ECHONET　Lite」対応、かつAIF認証取得
②グリーンモードのみの蓄電池の運転
〈補助額〉
・設備費：定額（3万円/kWh、上限：1/3）
・工事費：定額（上限：5万円/台）

２．蓄電池と合わせて導入する蓄熱設備
〈要件〉
①冷媒に自然冷媒等を用いている設備
②家庭用蓄電池と合わせて導入する設備
③通信規格「ECHONET　Lite」対応、かつAIF認証取得
〈補助額〉
・設備費及び工事費合わせて定額（上限：5万円/台）

２．の蓄熱設備の要件にある、①冷媒に自然冷媒等を用いている設備とは、自然冷媒ヒートポンプ給湯器「エコキュート」が代表的な設備です。2001年に商品化されて以来普及がすすみ、2010年度まで国の補助金がありましたので、蓄電池だけでなくエコキュートの補助金も復活ということになります。
また、エコキュートの補助金は自治体によっては現在も交付されているところもありますので、購入時には自治体へ確認することをおすすめします。

【蓄電池の要件　グリーンモードとは】

要件①の通信規格については、現在各メーカーから販売されている蓄電システムの多くは対応しています。
では、②グリーンモードのみの蓄電池の運転とは何でしょうか？
現在、販売されている蓄電池は「経済モード」と「グリーンモード」とを切り替えて使うことができます。「経済モード」とは、昼間太陽光で発電し、消費しきれずに余った電力を全て売電するというモードです。
売電単価が高い現在は、蓄電池をお使いの方の多くはこの「経済モード」でご使用されています。
「グリーンモード」とは、太陽光で発電し、消費しきれずに余った電力を蓄電池に充電し、発電電力が足りない時は蓄電池から電力を供給するモードで、電力会社からの購入電力をできるだけ少なくする運転をします。

【グリーンモードで使ってメリットはあるのか】

住宅用太陽光発電の今年度の売電単価は28円です。また、2018年度売電単価は26円と決まっています。
中部電力の電化住宅向け料金メニュー「スマートライフプラン」では平日昼間（デイタイム）の電力量料金は38円/kWh、土・日・祝日の昼間時間（＠ホームタイム）は28円/kWhとなっています。
これに再生可能エネルギー発電促進賦課金2.64円/kWh（2017年5月～2018年4月）が加わりますのでデイタイム40.64円/kWh、＠ホームタイム30.64円/kWhとなります。今年度の売電単価28円と比べても購入する電力料金の方が高いので、売るよりも使ったほうがお得です。来年度の売電単価26円となれば差はさらにひろがります。
ガス・電気併用住宅ではどうでしょうか。
中部電力の料金メニュー「おとくプラン」の電力量料金（第2段階料金：120kWh～300kWh）は、25.08円/kWhです。これに再生可能エネルギー発電促進賦課金2.64円/kWh（2017年5月～2018年4月）が加わりますので27.72円/kWhとなります。今年度は売った方がわずかにお得。来年度は使った方がお得になります。

【2018年は家庭用蓄電池の普及元年】

太陽光発電の売電単価が下がってきて、2018年度においては低圧電力料金メニューにおいて、売るよりも使う方がお得な時代となってきます。
そして2019年には売電単価48円の方が10年間の売電期間終了を迎えます。売電期間終了後の売電単価は未決定ですが11円程度とも言われていますので、売電期間終了間近で来年度の蓄電池の補助金を利用しての蓄電池導入を考える方はとても多いと考えられ、蓄電池の普及元年となる年だと思います。
補助金開始直後に予算終了ということも十分考えられますので、蓄電池をお考えの方は早目に情報収集したほうが良いでしょう。